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泉美木蘭
2018.12.21 12:34日々の出来事

手持ちのiPhoneを眺めながら「全球化」をおもう

昨夜の「流行語大賞」と「今年の出来事」をふりかえる生放送で、
今年1月にライジングの記事で紹介した「ナパーム弾の少女」に
対して、Apple社から「児童ポルノにつき、削除せよ」との命令が
来たという事件が取り上げられた。

当時のブログはこちら
https://www.gosen-dojo.com/blog/17829/

帰りの電車で、この話と、今号のライジングで小林先生がお書きに
なっていた中国の「全球化」とが合わさって、
ものすごく不穏な気分になっていた。

ドイツ政府も「インダストリー4.0」という国家プロジェクトを推進
して、製造業を超高度ハイテク化、AI化するべく予算をつぎ込んで
きているし、
中国の場合は、ここに「超・ケインズ主義」、
しかも、国家がAI技術を駆使して、国民を完全監視・完全管理しつつ
生産していく“超緻密計画経済”みたいなシステムを成立させてしまう
のかもしれない。

そこにはもう自由なんてあったもんじゃなくて、
徹底的にムダを省き、誰に何が必要なのかがどこかで自動決定されて、
表現なんてするだけムダ、みたいな世界かもしれない。

私は2009年のiPhone3GSからずっとiPhoneを使っているけど、
他にくらべてこんな機種代の高いものに、わざわざ分割契約で大金を
つぎ込んでまでiPhoneを持つ人が多いのは、日本だけだと知った時、
本当に「あちゃーーーーっ」と思った。

機種代分割という仕組みが、世界的には珍しいというのもあるらしい
けど、自分が最初にガラケーからiPhoneに切り替えた時を思い出すと、
やっぱりAppleが醸し出すブランド感みたいなものにまんまと乗せられ
ていたし、新型iPhone発売のお祭り報道なんかにも、なんとなく影響
されていた気がする。
無防備なんだよね、基本的に。

そこからあれよあれよとGoogle、Apple、Facebook、Amazonに
飲まれていったけれど、この4つの企業はいまや無国籍化しており、
タックスヘイブンを悪用して自国に税金を納めないことが米国内で
大問題になっている。
そこに張り出してきたのが、あくまでも国内で強力な産業を育て、
いよいよ「全球化」達成をもくろむ中国なのだから、
日本もいつまでも無防備に「みんななかよく」「おともだち」なんて
言ってる場合じゃないんだよね、本当に。
「気づいたら翻弄されて、手遅れだった!」なんてのはもう嫌だよ…。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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